2009年04月26日

浦島草

愛知・三河湾に浮かぶ島で、なかなか珍しい植物に出会った。



ウラシマソウ。サトイモ科の植物で、じめっとした半日陰のような場所に
咲く。こんな群落を見たのは初めてだったのでかなり感動した。



花から一本、ヒゲみたいなのが伸びてて、これが浦島太郎が釣りをしてる
ように見えることから「ウラシマソウ」の名前がついた。

いや~昔の人の発想・ネーミングは実に味わい深いっつうか、いい加減っ
つうか。今だったら何てつけるだろう?「髭男爵」とか「SM草」とか?



ちなみにこのヒゲが何のためにあるのかはわかっていない。
植物の生態ってフシギだね。

さて浦島つながりでもういっちょ。浦島太郎といえば「助けたカメに連れられ
て~♪」竜宮城へいくわけだが、突然ですがここで問題。

浦島太郎が助けたカメの種類は何?そしてオスメスどっちでしょうか?



答えはアカウミガメ(たぶん)。そして産卵のため上陸したわけだから、当然
メス。(だよね?)

子供たちがイジメてたのはきっとなかなか産卵できず、朝になってしまった
お母さんガメだろう。もしくは子供たちも浦島太郎も、深夜徘徊してたのかも
知れない。どーでもいいけど。



はるかメキシコあたりの海から、わざわざ日本の海岸を目指してやって来る
アカウミガメのお母さん。北太平洋では唯一、日本の沿岸でしか産卵しない
と言っていい。そんな大切な「お客さま」なのだ。

けれど・・・浦島太郎が今の海岸を見たら、いったい何て言うだろうなぁ・・・。



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2009年04月24日

お詫び

前回の「三河湾を食らう」の中で、底引き網漁について批判的な文章を
載せたところ、お怒りのコメントをいただいた。

確かにあの書き方では遠洋底引き網も、沖合いも、小型も、それに外国
の底引き漁まで、すべてごちゃまぜにしたような乱暴なくくりであったため、
水産資源の未来を考え、きちんと禁漁期間を守って操業している漁師さん
には大変不快な思いをさせてしまった。

ここに深くお詫びをいたします。申し訳ありませんでした。

思えば底引き漁に対する偏見は、以前乗船した船が、獲れた稚魚や
底性生物たちをあまりにも無節操に殺していたから。

必要以上に感情的になれとは言わんが、小さな生きものたちがチリトリ
みたいな物で集められ、海に捨てられていく光景はやはり心が痛んだ。

また一部では底引き網漁法が問題となっているケースもある。
(けっして俺、グリーンピースの仲間ぢゃないけど、一応参考までに・・・)
http://www.whalelove.org/oceans/bottom-trawling
http://www.patagonia.com/web/jp/patagonia.go?assetid=6443

どんな生業でも、儲けることにしか価値を見出せない人と、そうでない
人がいる。
ましてや第一次産業に携わる人たちは、我々一消費者よりもずっと、
限りある資源の持続的利用に関してきちんと考えてる人は多いはずだ。

そういった方々に対し、短絡的で誤解を与える表現をしてしまったことに
関し、あらためてお詫び申し上げたい。

最後に・・・
俺は、農林水産業というものには常に、心から感謝しています。

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Posted by mikihito at 00:41Comments(2)

2009年04月18日

三河湾を食らう

CBCテレビ「そこ知り・板東リサーチ」のロケで三河湾・佐久島に行ってきた。



朝、漁師さんの船に乗っけてもらって定置網を引き上げに・・・。



わお!大漁っす!スズキにメバル、アイナメ、ウミタナゴ・・・
定置網のいい所は、底引きと違って稚魚なんかを根こそぎ獲ってかないトコ。

で、三河湾名物の大アサリなんかといっしょに焼いてもらった。
マジうめーっす!板東さんも茹でたまご食べた時と同じぐらい感動!!




本来、三河湾は豊かな海なのだ。けれども埋め立てによる干潟の消失、河川から
の排水の流入などによって「赤潮」が名物になってしまった。

確かに昔に比べ減ってはいるけど、それでもまだ水温が低いこの時期でも赤潮は
出てたし、ミズクラゲの量もかなりのもんだった。

それにこれからのシーズン、貧酸素水塊(死んで沈んだプランクトンをバクテリアが
分解する際、大量の酸素を消費するため、海の底に酸素の乏しい海域ができる)
はどんどん広がってゆく。

「身近な場所でうまいモンが獲れる」って最高に幸せなことなのだ。
そのためにも三河湾、もっともっときれいで豊かな海にしないとね!!

★CBCテレビ「そこ知り板東リサーチ 佐久島の旅」は4月29日・19:55~OA
     出演・板東英二・シェリー・鉄崎幹人・・・・・ぜひ観てね!

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Posted by mikihito at 22:22Comments(2)

2009年04月15日

稀少花

もちろん世の中、数が少ないものや珍しいものだけ守ればいいわけじゃない。
でもやっぱり稀少なものって、そうなってしまった理由が必ずあるわけで・・・。
保護のために急を要することは確かだろう。



シュンラン。その名の通りまさに春を代表するランの仲間。
けれどもランは園芸やる人には人気の花。そのため心無いヤツどもによる
乱獲が後を絶たない。それによって数が減っていくことを「採集圧」という。

野草はその場所にあってこそ美しいのだ。




シデコブシ。モクレン科の植物で、初めてその名を聞く人も多いと思う。
愛知・岐阜・三重の東海地方の湿地もしくは沢沿いの限られた場所にしか
自生しない木であり、なのでちょっと難しいけど、「周伊勢湾要素植物」と
呼ばれる木のひとつである。

つまりこの地方から無くなれば、地球上からシデコブシが消えることになる。




そして、マメナシ。なんと絶滅危惧種1A類の植物。1Aってのはとにかく
トップクラスの絶滅危惧種ってことで、放っておけば近い将来、この世から
姿を消してしまうってことだ。
シデコブシ同様、湿地やため池の周りに生育する植物で、そういった場所の
消失に伴い、激減してきた。

何がすごいって、このマメナシもシデコブシも、氷河期時代からの生き残り
であり、人間様なんかよりはるかにタフな時代を生き抜いてきたのだ。

そんな歴史を刻んできたこの尊敬すべき植物たちを、われわれ人間の愚かな
開発行為で滅亡させてしまっていいわけがない。

今や稀少となってしまった花たちは、うららかな春の陽射しにゆれながら、
今日も人間たちに何かを語りかけている。

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Posted by mikihito at 00:17Comments(0)

2009年04月11日

目覚め

毎日あったかい日々が続いとりますな。
春は、厳しい冬を越したいろんな生きものたちが目覚めます。



シマヘビちゃんです。シマヘビは毒の無いヘビの中ではけっこう気が
荒いんすが、さすがに冬眠から目覚めたばかりで、春の陽射しの中
ぼ~っとしておりましたので、かなりアップで撮影できたっす。



幼虫時代を水の中で過ごしたカワゲラも羽化して成虫に。



ミシシッピーアカミミガメの赤ちゃんも土の中から孵化。要注意外来生物
として問題視されてる生きものですが、こんな小さいとやっぱ憎めんわ。

やっぱり悪いのはこいつらじゃなくて、金のためにガンガン輸入して売りさばき、
でっかくなって手に負えなくなると川に放してしまう無責任な人間たちなのだ。
赤ちゃん見てるとつくづくそう思う。



これ、いわゆるコイの「のっこみ」ってやつ。産卵のためかなりの浅場で、オスと
メスの壮絶なる性の儀式が繰り広げられる光景、見たことある人いるかも。

まぁつまり、その・・・「コイも恋するシーズン」・・・ってわけね!
うまくまとまったところで、また次回。チャオ!

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Posted by mikihito at 18:24Comments(1)

2009年04月09日

ソー ビューティフル!

春の花は美しすぎる!なのでいっぱい紹介しちゃおう。




3月下旬、沢沿いを彩るショウジョウバカマ。ショウジョウとは中国の伝説上の
顔が赤い動物のこと。でもここの花は淡いピンク色だった。




4月、陽あたりのいい湿地に咲くハルリンドウ。
数が少ないだけに見つけると嬉しくなる花だ。しかしなんて美しい青だろう。



もういっちょピンクを。コバノミツバツツジ。公園なんかによくあるモチツツジと違い、
名前の通り葉っぱが小さくて3枚。春の里山をピンクに染めてくれる。



図鑑には見つけやすいって書いてあるのに意外と出会わないキランソウ。
別名「ジゴクノカマノフタ」なんて恐ろしい名前がついてる。



最後はオーソドックスにタンポポ登場。ここで豆知識をひとつ。
左の写真、ガクが花びらにピタッとくっついてるのが日本のタンポポ。
右の写真、ガクがそっくり返ってるのがセイヨウタンポポ。覚えておこう!

とにかくこの季節の花たちはソービューティフル!
次回はもっと珍しい花を紹介しまする。

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Posted by mikihito at 00:25Comments(0)

2009年04月03日

ジンベイザメに乗る!

世界最大の魚、ジンベイザメに乗ってきた!ロボットだけど。
作ったのはすっかりお馴染みのこの人、海洋生物楽者・林正道。



で、でけ~っ!しかしすごいよなぁ・・・こんなん作っちゃうんだもん。



ホントに乗れて、動くのだ!



大人3人(アホ3人)が乗ってもダイジョーブなのだ!

さらに今回、人が乗れるマンボウを初公開!!


わ~い!立てた立てた~!だからなんなんだっ!!

さらにさらに今回、世界初、「直立型・お魚になった気分で泳げるマシーン」も実験!

お魚さんのように・・・
尾びれつけて水に入ると・・・
泳ぎにくいわっ!!


これなんか前に魚のヒレ、後ろにイルカのヒレ、
もう何がしたいんだかさっぱりわからなくなってきた。

でもバカバカしくても、彼には夢がある。いつかきっと、身体が不自由な人たちや、
泳ぎたくても泳げない子供たちが、これに乗って喜んでくれたら・・・



そんな彼の夢を乗せて、ロボットたちは今日もどこかで泳いでる。

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Posted by mikihito at 11:55Comments(4)