2010年02月27日

冬のどんぐり

秋に地面に落ちたどんぐりは、冬に根をはる。
そうして寒い季節を乗り切り、春に発芽する。



寒い冬の森で、大地に根ざそうとするどんぐりを見つけると、
なんかほんわか温かい気持ちになる。
「お前、がんばってるなぁ。よし俺もがんばんなきゃ!」ってね。

・・・ウソつけっつうの。俺そんなセンチな人間じゃねーじゃん。

ちなみに写真はアベマキのどんぐり。小学生に「カブトムシが
よく集まる樹は?」って聞くとたいがい「クヌギ~!」って答える
けど、あれは図鑑が東京で作られてるからだ。

中部地方にはクヌギの樹はとても少ない。代わりにあるのがクヌギ
そっくりのアベマキである。なので中部の子供たちはこの名前を覚
えておこう。

そして季節は間もなく春。



これは俺のもっとも好きな写真だ。この写真を見る度いつも、
「お前、がんばったなぁ。よくぞ寒い冬を耐えたものだ。よし、俺も
めげずにがんばるぞ!きっといつか、芽生えの季節がやってくるさ!」

・・・だからウソつけっつうの。思わねーよそこまで。

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2010年02月25日

小牧のタンチョウ

やっと見に行くことができた。小牧のタンチョウ。

本来、鶴は渡り鳥であり、北海道では留鳥として生息している。
それが!本州、しかも愛知県小牧市に鶴がやってくるとは!!



群れから離れた迷鳥なんだろうが、しっかし愛知県に鶴・・・。
まっことスゴいことぜよ!(龍馬風)。もう2度と見られんかも知れん。

こないだは山崎川にスナメリ。2005年は堀川にオオサンショウウオ。
2000年には同じく堀川にシャチ。珍客が現れるとみんなもう大騒ぎだ。

特に鶴は昔話にも登場する、日本人の心の鳥だからね。
ちなみに余談だが、有名な「松に鶴」の絵はホントはありえない。
なぜなら鶴の足の指のつくりでは、ゼッタイに松の木にはとまれないからだ。
ありゃきっと鶴と、コウノトリを見間違えたんだろう、ってのが通説になっている。



あと鶴の頭の上の赤い部分。これ皮膚が透けて中の血の色が見えてるらしい。
興奮すると大きくなるんだって。おおっ!けっこうエグイじゃないか鶴!

まあとにかく、愛知県で鶴が見れたことには感動した。ただホントは美しい羽
を広げて飛ぶシーンが見たかった。けっこう長い時間ねばったんだけど・・・

結局飛んでくれなくて、俺としては・・・タンチョウの思いで帰ってまいりました。
チャンチャン。

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2010年02月16日

山崎川のスナメリ

今、名古屋市内の都市河川、山崎川に野生のイルカ、
「スナメリ」が来ている。

各局の報道カメラが集まり、その映像が毎日のように
ニュースで流れ、今名古屋は大騒ぎである。

スナメリというイルカは普段は伊勢湾・三河湾に生息
しているので、今回の個体は群れからはぐれ、山崎川
に迷い込んだのだろう、ということだ。

ただ、一般的にはあまり知られてないことだが、実は
スナメリはほぼ毎年、この時期には名古屋港まで入り
こんで来るのだ。
なのでそのすぐ先にある山崎川まで進入してしまった
としても、何ら不思議なことではない。



以前、調査船を出して調べた時の様子。名港トリトン
の橋げたの下近く・・・確かにスナメリはいた!



エサとなるイワシやコウナゴが伊勢湾に少ないこの季節、
彼らはなんとか生きるために、ボラなどを追って名古屋港
まで必死でやって来るのだ。

けれど、世界有数の貿易港である名古屋港の水質は、
恐ろしく汚い。

それでも彼らはやって来る。我々名古屋市民は、その事実
を知るとともに、少しでもその水質を改善するための何らか
の努力をすべきだろう。けなげな生きものたちのために。



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Posted by mikihito at 22:47Comments(1)

2010年02月12日

ジビエ料理を食べよう

先日、猪・鹿・熊などの野生生物を食べる会があった。





肉をさばく人、それを料理する人、ともに腕が良かったのでどれも
めちゃめちゃおいしかった。

この日の大きなテーマのひとつが「多発するシカの食害」。
各地で相当な被害が出てて、下草全部食い尽くした結果、土砂くずれ
を起こしたケースなんかも発表されてた。

その対処法として、肉の流通の問題、鳥獣保護法の問題、銃刀法の改正
議論まで飛び出し、とても有意義な食事会だったと思う。

人間の、自然への当たり前の関わり方として、「食って少しでも減らす」
という考えには大賛成だ。
ただ林業でも、間伐したはいいが、売れなくて山林内に倒したままのスギ
ヒノキはたくさん見かける。

同じく、シカもイノシシも、きちんとした流通ラインに乗せ、我々が日常生活
の中の「手の届く範囲の食物」となることが大切だと思う。
・・・まあそれはそれでいろんな問題あるらしいが・・・。

てことで、今年はどんなジビエ料理いただこうかなぁ・・・。

今計画中なのが、「ハクビシン」と「ヌートリア」である。・・あれ?引いた?

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Posted by mikihito at 12:32Comments(0)

2010年02月05日

川の始まり

静岡の町を流れる安倍川の源流域。



本来、川の始まりは森である。水を育む森のことを「水源涵養林」
と呼ぶ。樹木、落ち葉、土、木の根などが雨水をたくわえ、そこから
染み出たしずくが、やがて大きな河川を形成する。ところが・・・・・



名古屋市内を流れる香流(かなれ)川。右の写真は源流近く。
そしてその源流は・・・・・?



ここだ。この先は暗渠になっていてこれ以上は見えない。
なんだかせつないのう。



西三河を流れる猿渡(さわたり)川。河口にゴミがたまっていた。おまけに
こんな時期なのに、農業排水でびっくりするくらい川が黄土色ににごっとる。



で、これが源流付近。都市河川の特徴はとにかく3面コンクリート張りで、
川がまっすぐなことである。大水や汚水を早く下流に流すためだ。そして・・・



ここが猿渡川の源流である。やはりこの先は暗渠になっている。
うん。・・・せつない。源流の風景として、あまりにもせつない。

けれど源流を探す旅をしていて毎回思うことがある。それは、どんな川も
ちゃんと海につながっている、ということだ。こんなドブの様な川でもだ。

だって河口からここまで、ホントに1度も水は途切れてなかったもん。
つまり、このドブが、いやこのドブに注ぐ台所やお風呂場が、間違いなく
海の入り口なのだ。

そう思うとドブだってこれ以上、汚しちゃいけないと思うよね?

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Posted by mikihito at 23:59Comments(1)