2013年07月29日

グンバイトンボに出会う

またまたトンボの記事で恐縮です。今回は、グンバイトンボ



丘陵地のヨシなどが繁茂した、水のきれいな川の中流域に生息するトンボ。
足の部分がその名の通り、軍配(武将が指揮に用いるウチワ状の道具。
相撲の行司も使うヤツね。)のような形に広がっていることから名前がついた。

ひと昔前の女子高生もこんな足してたよね。ルーズソックス履いてさ。



アップで見るとよくわかると思う。しかし面白い形だよね。軍配型になってるのは
オスだけなので、メスへのアピールのためだとは思うが、敵には目立つし、飛翔
する際の空気抵抗も増しちゃうし。・・・・・オスの苦労が忍ばれるわ。



でもこのトンボを見つけた時は、相当うれしかった。最初はモノサシトンボ
かな?って思って近づいたら・・・グンバイだった。テンション上がったぜ。

なぜならこのトンボ、めったに見られるものではない。環境省のレッドデータ
では準絶滅危惧種。愛知県ではさらに希少種。とっても珍しいトンボなのだ。

コイツを見つけた場所は、極めて自然度が高く、水生植物も生物もいっぱいの
きれいな川。カワムツ、ヨシノボリ、カマツカなんかもワンサカいる所だった。

探せばまだかろうじて、そんな河川は愛知にも残っている。数は少ないけど。
そんな水辺でしか見つからないグンバイトンボ。

汚し、壊し続けてきた人間たちには、決して軍配を上げてはくれないだろうな。  


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2013年07月26日

美味!稲取キンメ

キンメダイ目キンメダイ科・キンメダイ。名前にタイってついてるけど、
マダイやクロダイはスズキ目だから、そもそも種類が違う。



静岡県・東伊豆町の稲取漁港に水揚げされる高級魚のキンメダイを、地元の
漁協が、「稲取キンメ」として地域団体商標に登録した。

・・・そりゃするでしょ!こんなに美味い魚ならっ!!

この度、こんな美味しい魚をいただいたのだ。ホントありがとうギョざいました!

恥ずかしながら・・・・人生で初めて食べました。キンメダイ。だって愛知県じゃ
めったに食べられないもん。居酒屋にも置いてないし、あったとしてもバカ高いもん。



まずはさっそく刺身に。捌いてるとすぐに包丁が切れなくなる。な~んでか?
・・・それほど脂がのってるってことだ。だから大変だったわ。刺身造り。

そしてそのお味はというと・・・・・今まで食べた刺身でいっちばん美味しかった!!

マジで。お世辞抜きで。さすが高級魚、しかも稲取産。わかりやすく例えるなら
キンメダイの刺身って、脂ののった「トロ」に似てるのだ。やっぱコレ、全然タイじゃない。

そしてこの後はキンメしゃぶしゃぶ、さらには腹子がいたのでそれも焼いていただいた。

いやホントに美味しい魚だった。平均水深9mの浅い三河湾で獲れるシャコや大アサリ
も確かに美味い。けれども東伊豆・稲取沖の水深200~500mの深海で獲れるキンメ、
この味は別格だと思う。少々お高いかもだけど、機会があったら是非食べてみてね!  


Posted by mikihito at 17:16Comments(3)

2013年07月21日

美しすぎるチョウトンボ

今年の夏はトンボにハマっちゃってる。



ウチワヤンマ。その名の通り、おしりの先っちょが団扇のような形をしてる。
広い池のまわりを飛び回るトンボだが、地域によっては絶滅危惧種。

・・・・・そして今回、美しすぎるトンボを撮影することができた。



チョウトンボだ。後ろ羽の幅が広く、まるでチョウのようにひらひらと舞うトンボ。



どう?この美しさ。ホントきれいっしょ?その色も、くっきりとした羽の模様も。
チョウトンボって日本一美しいトンボじゃないかな?けれど決して外国産みたい
に派手ではない・・・・・なんつうか、奥ゆかしい美しさ、っつうのかな?

飛んでる時は黒にしか見えない羽だが、実は見る角度によって色が変わるのだ。

だから写真に撮る時も角度を変えてみたり、順光にしたり逆光にしてみたり。
・・・・・何枚も何枚もシャッターを押したくなってしまうトンボだ。



ただし、このトンボは、植生が豊かな池や沼にしか生息しない。
ちゃ~んと水生植物が繁茂していて、産卵できる環境が整っている水辺。

さらにコイやバスやギルが幅を利かせてるような水域では、トンボのヤゴ
なんて真っ先にバクバク食われてしまう。

植生豊かで外来種もいない・・・・・そんな健全な場所って、本当に少ないのだ。

真夏にひらひらと舞う、日本一美しいトンボ。今度は是非、実物を見てちょーだいね。  


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2013年07月18日

暑苦しいヒイラギハマキワタムシ

毎日あっつい日が続いておりますが、いかがお過ごし?

そんな夏の日に、見てるだけでさらに暑さが増しちゃうような生きもの発見。



これ、綿じゃないよ。名前は、「ヒイラギハマキワタムシ」。

その名の通り、ヒイラギやモクセイを寄主とする、綿のように見える生きものだ。
どうやら園芸やる人にとっては「害虫」らしい。歩く姿なんか可愛いんだけどね。



ただ・・・・・やっぱ見た目、暑苦しい。

「いやいやキミ。夏やぞ。そんなフワフワの着とったらあっついやろ?脱げば?」
・・・・・って、つい言いたくなるよね?

ところでこんな猛暑が続く今年の夏であるが、俺は寝る時、一度もエアコン入れて
ません!・・・すごいっしょ?隣が田んぼだから、窓から入ってくる風と扇風機だけ
で過ごせちゃうのだ。

2013年夏も、がんばります。「脱!合コン!」・・・・・間違えた。「脱!エアコン!」  


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2013年07月13日

あってはいけないオオキンケイギク

前回、日本の自然の中にあってはいけない「外来スイレン」を紹介した。



同じく、日本の水辺にあってはいけないのがこの、ホテイアオイだ。

花が美しいため、日本には明治時代に観賞用に持ち込まれた。金魚やメダカを
飼う時、産卵用としてこの水生植物を水槽に入れた経験はないだろうか?
家の水槽にある分には問題ないのだが、これが野生化するとやっかいである。

特に汚れた水環境下では大繁殖し、前回の外来スイレン同様、水辺生態系に多大な
悪影響を与える。さらに冬になって枯死するとドロドロに腐り、水質悪化を招くのだ。

ところが、 「世界の侵略的外来種ワースト100」にもしっかり指定され、世界中で問題
となっているこのホテイアオイ、いまだにこれを用いて環境活動をしている人たちがいる
のだ。・・・・・「ホテイアオイで水質浄化」って看板、見たことないだろうか?

「ホテイアオイは水をキレイにしてくれる」って短絡的な側面だけを信じ、長い目で見た
環境悪化に気がつかずバラ撒く人。・・・・・コイの放流してるヤツと同類である。



そしてさらにやっかいな外来植物がコレ。オオキンケイギク
みなさんの身近なトコにも生えてるでしょ?



北米原産。こちらもホテイアオイ同様、日本には1880年代に鑑賞目的で持ち込まれた。

繁殖力がハンパなく強く、荒地でも生育できるため、緑化などに利用されてきた。
「コレが繁茂する川原はめっちゃキレイ!」
・・・って思ったんだろう。当時は緑化植物としても観賞植物としても非常に好まれたのだ。



しかし、カワラナデシコなどの在来種に悪影響を与える恐れが指摘され、2006年、
外来生物法に基づき特定外来生物に指定。
そして見事、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定。

・・・・・昔の人たちよ。何でこうなることに気がつかんかったのか。

人の歴史や営みに対し、後世の人間がとやかく言うべきではないかもしれない。
「後から冷静に考えればそうかもしれんが、そん時は仕方なかったんだ!」
・・・・・確かにそういうこともあるだろう。(まさしく戦争がそうだよね?)

でもさ、ひとつ明らかなのは、ホテイアオイもオオキンケイギクも、「見た目が美しい」
ってこと。そう。大きくてキレイなものが好まれる・・・これは昔も今も不変でしょ?

この価値観こそが、日本に外来種をはびこらせる原動力になってきたのだ。

美しいからオオキンケイギクはもてはやされた。でっかくてカッコいいから、ヘラクレス
オオカブトは人気がある。奇抜な模様の爬虫類も、珍しい両生類も。・・・・・でもね、



どんなに華やかな花より、俺はこの、小さいけれど可憐なカタバミの方が好きだ。  


Posted by mikihito at 22:03Comments(2)

2013年07月10日

あってはいけない外来スイレン



名古屋市・東山の新池。水面を覆いつくしているのは外来スイレン

この池に「あってはいけない」植物である。外来スイレンがこのように覆いつく
してしまうと、日光が水中に届かず、内水面の生態系に悪影響が生じてしまう。

なので、なごや生物多様性センタースタッフはじめ、NPOのみなさんが、必死
になってこの植物の駆除にあたっている。・・・これは本当に大変な作業である。



わ~キレイ!」・・・などとホザいてはいけない。



これが外来スイレンの花だ。花の色は派手で、葉も大きいのでゴージャスではある。



しかし本来、日本の池や沼にあるべきスイレンはこれだ。「ヒツジグサ」。



未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることから、ヒツジグサと名付けられた。
(実際は朝から夕方まで花は咲くが・・・)

外来スイレンの派手さに比べ、その花のいでたちは、なんと可憐なことか。



やっぱこっちでしょ。どう考えても日本の水辺に似合うのは。



日本産スイレン=ヒツジグサ。この1種のみ。だからみなさん、勘違い
してはいけない。日本でスイレンの花、といったらその色は、白なのだ。

ところがこのヒツジグサ、日本各地で減少している。上の写真のように健全に
繁茂する水辺もあるが、そもそもため池自体の減少、外来スイレンの繁茂、
コイの放流、などによってその数は減少著しい。

園芸用、観賞用として水辺に持ち込まれた外来スイレン。人はなんでこうも、
キレイなものばっかり好み、バラ撒くんだろう。

確かに見た目は美しいかもしれんが、水辺生態系に悪影響を与え、在来のスイレン
を追いやってしまうその存在、やはり日本の水辺には「あってはいけない」のである。  


Posted by mikihito at 20:37Comments(2)

2013年07月06日

恐怖!ヤツワクガビル!

「アタシ、ヒルが大好きなの!」なんておネーちゃんに出会ったことはない。
自然好きな人間でも、人気度となるとやっぱりヒルは相当低いと思う。

そんな中、今回出会ったヒルはインパクトがあり過ぎてあり過ぎて・・・・。



ヤツワクガビル。安倍川の源流付近で見つけた。高い山の湿った森に生息
する、陸生のヒル。・・・ホンモノ、初めて見た。大きさ、約25cm。・・・デカ過ぎ。



最初見た時、新種かと思った。なぜなら頭が2つに割れてるように見えたから。

けど2つに分かれたように見えた頭、それはミミズだった!
・・・そう。コイツの主食は、ミミズなのだ。でっかいミミズを体の真ん中あたり
から食い始めたため、それがVの字に折れて、2つの頭に見えたワケだ。

・・・う~~・・・自然好きにとっても、かなりエグいシーン。
普通に載っけちゃったけど、みなさんこの写真大丈夫?・・・苦情はヤメてね。



嫌われ者のヒル。蚊やアブ、コウモリなど、血を吸う生きものはたいがい嫌われ
るよね。けれども、ヒルの種類で吸血性のものはほんの数種だ。ほとんどのヒル
は吸血しない。

だからみなさん、もう少しヒルのことを好きになってあげてください。
ね?お願いしますよ。・・・・・僕は・・・・・ムリです。  


Posted by mikihito at 10:16Comments(4)

2013年07月03日

安倍川・源流の旅

本編行く前に・・・おい管理者、どーなってる?「いいね」のカウント、全部消えてるぞ。
特に「名古屋のオカン」の回なんて、みんないっぱい「いいね」くれたのに!!ったくよぉ!!

さて、激オコぷんぷん丸の後は今回のテーマ。静岡市を流れる清流、安倍川を遡上する旅だ。



スタート地点、安倍川河口。



いい雰囲気の中流部。この川の特徴は、石がゴロゴロしてることである。

総延長わずか53キロほど。この距離を標高2000メートルから一気に海まで下るので、
当然流れは急流となる。かつ、まわりの山々も急峻なため、絶えずガケ崩れを起こし、
それが砂にならずに岩や石のまま、駿河湾まで届いてしまうのだ。



赤水の滝。安倍川のこの水は、静岡市民の飲料水にもなっている、まさしく命の水である。



滝近くにあった、クリンソウ



エゴノキの花が、雨に濡れて綺麗だった。



魚魚の里(ととのさと)で、釣ったアマゴをおいしくいただく。



さあいよいよ源流部。まずは1つめの吊り橋を渡る。



2つめの吊り橋には、ちょっとキンチョーする看板が・・・。



確かにコレ、コワいわ。



コレは1人ずつ渡らないかんわ。まぁ揺れる揺れる。



ヤマアカガエル登場。



そして・・・安倍の大滝に到着!・・・この時、雨ザンザン降り。いっしょにロケしたSBS
の女子アナ、小沼みのりのメイクも落ちる落ちる。それでも彼女、がんばってたよ。



そしてさらに源流域を目指し、安倍峠入り口へ。



クマ出没注意!」うわっ!コワっ!・・・と思ってよく見たら、「タマ出没注意!」だった。
・・・・・ネコなら大丈夫だ。勝てる。



安倍川源流域では名物、といってもいいだろう。オオイタヤメイゲツの木がたくさん。



だんだん景色が素晴らしくなってきた。何とも言えず、神秘的!



当たり前だけど、水は少しの濁りもない清流。



うん。ホントに神秘的な場所だ。



さあいよいよ川が細く、水量も少なくなってきた!源流、近し!!



そしてついに!・・・・・水の流れが途絶えた!!



見つけた!!ここっ!ここが、安倍川の源流だっ!!

安倍峠のこの水たまりが、清流安倍川の出発点である。もちろんこの水は付近の
山々から生まれ、地下伏流水となって再びここで湧き出しているワケではあるが、
地表水としてこんなわかりやすい出発点はない。なぜなら・・・・・



もうこの先に、水の流れはいっさい見られないから。
だから、ここ。ここが、安倍川の源流ってことでOKっしょ!!


(安倍川の清冽な水が育むワサビ)

静岡市葵区で生まれ、静岡市駿河区に注ぐ、安倍川はまさしく「静岡市内・完結の川」。
同じく名古屋にも、千種区で生まれ、港区に注ぐ、「名古屋市内・完結」の山崎川がある。

でもこの2つの川を比べてみよう。その綺麗さ、自然度、健全度。・・・悲しいが、違いは歴然だ。
ザ・静岡市の川、安倍川。この川を静岡のみなさんは、もっともっと誇りに思ってほしい。

・・・・・ってことで最後に番宣。
7月8日月曜 夜7時から、静岡SBSテレビ「そこ知り」で、「安倍川の旅」放映。是非観てね!  


Posted by mikihito at 17:35Comments(2)