2022年04月20日
池干しの前に
藤枝市にある田中城三之堀っていう池。
水質もよくなかなか自然度も高そうなこの池、秋に水抜いて
池干しするらしい。ってことで外来種についての講演依頼を
受け、先日下見に行ってまいりました。
アオサギが狙ってるってことは小魚が生息してる証拠。
3月下旬だったけど、まだツグミがうろうろしてた。
スズメも巣材をくわえ、巣作りの準備。
カルガモものんびり仲良く泳いでた。
なかなかいい雰囲気の池じゃん?・・・って思ったら・・・
これアカンやん!水面を覆っていたのは外来スイレン。
これが繁茂すると光が遮られ、富栄養化の原因となる。
池のほとりには可愛い形のキランソウや、
どこでも見られるカラスノエンドウ、そして、
誰かが植えたんだろう。時期の早いカキツバタもあった。
でもオオイヌノフグリは外来種。どこにでもあるけどね。
ヒメツルソバも外来種。どこにでもあるけどね。
水の中にはテナガエビもいたし、
水の上にはアメンボもいた。
さらに寄せ餌につられてニホンスッポンも登場!
オイカワの群れも数多く泳いでた。・・・がしかし!!
これアカンやん!ニシキゴイ!!立派な外来種。っていうか
人間が造り出したという意味では金魚と同じだ。
きっと近所の人が放流したものだろうな。これはほんとにアカン。
自由に泳いでいいのはお笑いのニシキゴイだけだ。
もちろん大陸ゴイも多数生息。この魚が生態系にどれだけダメージ
与えるかについては、ひと昔前よりは世間に広まったとは思う。
もしコイがいなければ、在来淡水魚や淡水エビはもっと増えるだろ
うし、マコモが繁茂してるのでトンボのヤゴも増えるに違いない。
となると秋の池干し、当然これらのコイは駆除対象、なんだが・・・
特にニシキゴイは人気の観賞魚なので、地元の人たちとの軋轢を
生むこと必至だ。・・・実は池干しのいちばんやっかいなのはこの
点なのだ。
いかに地元の理解を得られるか、特にコイ好きな地元の重鎮の
おっちゃんたちを説き伏せるのは大変なんである。
今回の主催は藤枝市の青年会議所のみなさん。大変だとは思う
が、そのまっすぐな熱意は応援したい。自然の摂理に照らし、生態
系目線から考えれば、みなさんのやろうとしていることは間違いなく
正しいことですから!
Posted by mikihito at 22:49│Comments(0)
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