美しき日本の名前

mikihito

2012年05月02日 18:55

野山を散策する。すると、日本ならではの美しい名前の草花に出会う。



ホトケノザ。漢字で書くと「仏の座」。茎を包む葉が、仏様が座る「蓮華座
に見えることからこの名がついた。ただし、残念ながら大昔から日本に自生
する植物ではない。また、春の七草の「ホトケノザ」は別の植物。



ムラサキケマン。美しいけど、ケシ科の有毒植物なので口にしてはいけない。
漢字で書くと「紫華鬘」。華鬘とは、仏殿や仏像を飾る仏具のことで、これも
仏教に関連する言葉である。



仏教に関係するといえばこれもそうだろう。コウヤボウキ。漢字は「高野箒」。
昔、高野山の修行僧が、この木の枝を集めてホウキを作ったことが由来。

このように自然界の動植物と、仏教はいろんなところでつながっている。
菩提樹、沙羅双樹(日本ではナツツバキを指す)なんてまさしくそう。

他にも美しい植物の名前としては、ムラサキシキブ、ジュウニヒトエ、
ニシキゴロモ、ヤマコウバシ、ウラシマソウ、ベンケイソウ、ザゼンソウ、
センニンソウ、フクジュソウ、ツキミソウ(外来種)、
ヤマトナデシコ、ショウジョウバカマ、ゴゼンタチバナ、ハガクレツリフネ、
メオトバナ、ワスレナグサ(外来種)、サオトメカズラ(別名ヘクソカズラ)etc・・・

なんてのがある。中でも特に響きがいいのが・・・ミヤコワスレ
承久の乱で佐渡に流された順徳天皇が、この花を見ると都への思いを忘れ
られる、と言ったことが由来らしい。

「都忘れ」ってタイトルの歌は、GLAY、さだまさしさん他、いろんな歌手が
歌ってるよね。花期は5月。これからの季節、青や青紫の花が見られる。



最後は、ヒトリシズカ。・・・あぁなんて美しく、奥ゆかしい名前!!
名前の由来は「静御前」だ。そう、源義経を愛した悲恋のヒロインである。

「しずやしず賤のをだまきくりかへし 昔を今になすよしもがな」

義経への慕情を歌ったため頼朝は激怒したが、この舞を見た人は皆絶賛
したという。その「美しくも儚い舞」から名付けられたのが、この花である。

・・・どーすか。この数々のネーミング。日本人の感性って素晴らしいっしょ?