毎日毎日、雨ばっかですなぁ。アウトドア好きにとっては憂鬱な季節。
でもそんな梅雨のこの時期を楽しむために・・・・・今回は「
陸貝特集」。
「陸貝」というとまず思い浮かべるのが・・・・・
カタツムリ。そう、陸に生息する貝の
代表。でもこのカタツムリっていう呼び名は広い意味での通称であって、本名では
ない。
陸貝の仲間で、殻のないものを「ナメクジ」、殻を持つものを「カタツムリ」や「デンデン
ムシ」などと呼んでいるワケだが、日本で一般にカタツムリ、と呼ばれるものとしては、
オナジマイマイ科やニッポンマイマイ科の種類を指す。
ちなみに写真のカタツムリの殻は、「
イセノナミマイマイ」。伊勢湾を囲む地域を中心
に生息しているので、東海地方に住む我々が普段目にするカタツムリは、コレ。
そんな陸貝の仲間を探しに、今回行ってきたのが豊橋市にある、
石巻山。
この山は石灰岩でできているため、陸貝は殻を作るのに必要なカルシウムを得ること
ができる。だからこの山は、陸貝のメッカなのだ。
陸貝の宝庫であるとともに、この山は「パワースポット」としても有名だ。
「
蛇穴」と呼ばれる洞窟。これも石灰岩質の山ならでは。
民話に出てくる「
ダイダラボッチ」の足跡。こんな興味深いものが至る所で見られる。
この山に足を踏み入れると・・・それはそれは神秘的な雰囲気を感じてしまうのだ。
話を陸貝に戻そう。これはさっきみたいにマイマイとは呼ばない、
ヤマタニシ。
タニシって田んぼだけじゃないんだね。
蜂の子に似たキセルガイの仲間、
ハチノコギセル。
ちょっと写真がボケてるけど・・・
イシマキシロマイマイ。石巻山の固有種。
その名の通りサイズがでかい、
オオギセル。
細長い、
クビナガギセル。しかしこの「キセルガイ」っていう名前はうまいことつけた
もんだと思う。うちのじーちゃんも吸ってたけど、形がキセルにそっくりだよね。
そーかと思えばこれは、
キセルガイモドキ。・・・・・出た。モドキ。
似てるけどキセルガイ、じゃなくてモドキ。これが生物の世界のやっかいなトコ。
そしてこれが、
オオケマイマイ。確かに殻に毛が生えてる。
でもよく考えてみると、殻を脱ぎ捨てて行動しやすい道を選んだのがナメクジ。
殻を来てディフェンス型の生き方を選んだのがマイマイ。・・・・・なのに・・・・・!?
コイツは殻をまとい、更に毛まで生やしてる!?いや、そこまで防御せんでもええやん?
って思うんだが・・・。ちなみにこの毛の理由は、学者の間でもよくわかってないらしい。
手のひらに乗ってる小さなもの。まるでゴマ粒みたいだけど・・・・・
イシマキゴマガイ、って名前のれっきとした陸貝なのだ。
これまたちっちゃ。ホントにちっちゃ。
これは
ベニゴマオカタニシ。ちっちゃくてきれいで、とっても可愛い貝だ。
貝の仲間って、タイラギみたいにでかいヤツもいれば、こんなちっちゃいヤツもいる。
深い海の底にもいて、高い山の上にもすんでる。う~ん。かなり奥深いぞ、貝の世界は。
一瞬、貝から離れます。
ラミーカミキリがいたので写真撮っといた。
この面白い模様、何に見える?・・・・・俺は「
一流ホテルのドアマン」に見えるんだけど。
またまた貝に戻します。この日、いちばん出会いたかった貝がコレだ。
オモイガケナマイマイ。・・・・・もう一度言います。
オモイガケナマイマイ。
なんて名だっ!!この名前がついた理由、それは発見した人が、
「あれ??もっと違うトコにいると思ったのに、まさかこんなトコで見つかるとは・・・・・」
「いや~、
思いがけないトコにおったわ~」・・・・・ってなったかららしい。
いや・・・・・他になかったんかい名前の候補。オモイガケナマイマイて・・・・・。
まぁそれはいいとして実はこの貝、国でも愛知県でも、
絶滅危惧Ⅰ類に指定されてる、
チョー希少種なのである。だからこの日出会えたのは奇跡。まさに「思いがけない」
出会いだったのだ。
陸貝は、雨が降ってる時の方がいっぱい出てきて探しやすい。だから梅雨のこの時期
こそ楽しめるアウトドア遊びなのだ。
陸貝って地味なイメージだし、興味のある人も少ないと思う。でも、動きが遅いゆえの
その地域独自の進化の面白さ、そして思った以上にいろんな種類がいることの驚き。
・・・・・貝って、意外に面白い世界かもしれない。
登り始めた時に降ってた雨も、頂上に到着した時にはすっかりやんでいた。
頂上から見る景色、これが素晴らしい。陸貝の宝庫でもあり、パワースポットでもある
神秘的な山、石巻山。・・・・・梅雨時のアウトドアを楽しむには最適っすよ!