梅雨を楽しむ陸貝特集

mikihito

2015年07月06日 00:11

毎日毎日、雨ばっかですなぁ。アウトドア好きにとっては憂鬱な季節。
でもそんな梅雨のこの時期を楽しむために・・・・・今回は「陸貝特集」。



「陸貝」というとまず思い浮かべるのが・・・・・カタツムリ。そう、陸に生息する貝の
代表。でもこのカタツムリっていう呼び名は広い意味での通称であって、本名では
ない。
陸貝の仲間で、殻のないものを「ナメクジ」、殻を持つものを「カタツムリ」や「デンデン
ムシ」などと呼んでいるワケだが、日本で一般にカタツムリ、と呼ばれるものとしては、
オナジマイマイ科やニッポンマイマイ科の種類を指す。

ちなみに写真のカタツムリの殻は、「イセノナミマイマイ」。伊勢湾を囲む地域を中心
に生息しているので、東海地方に住む我々が普段目にするカタツムリは、コレ。



そんな陸貝の仲間を探しに、今回行ってきたのが豊橋市にある、石巻山
この山は石灰岩でできているため、陸貝は殻を作るのに必要なカルシウムを得ること
ができる。だからこの山は、陸貝のメッカなのだ。



陸貝の宝庫であるとともに、この山は「パワースポット」としても有名だ。



蛇穴」と呼ばれる洞窟。これも石灰岩質の山ならでは。



民話に出てくる「ダイダラボッチ」の足跡。こんな興味深いものが至る所で見られる。



この山に足を踏み入れると・・・それはそれは神秘的な雰囲気を感じてしまうのだ。



話を陸貝に戻そう。これはさっきみたいにマイマイとは呼ばない、ヤマタニシ
タニシって田んぼだけじゃないんだね。



蜂の子に似たキセルガイの仲間、ハチノコギセル



ちょっと写真がボケてるけど・・・イシマキシロマイマイ。石巻山の固有種。



その名の通りサイズがでかい、オオギセル



細長い、クビナガギセル。しかしこの「キセルガイ」っていう名前はうまいことつけた
もんだと思う。うちのじーちゃんも吸ってたけど、形がキセルにそっくりだよね。



そーかと思えばこれは、キセルガイモドキ。・・・・・出た。モドキ。
似てるけどキセルガイ、じゃなくてモドキ。これが生物の世界のやっかいなトコ。



そしてこれが、オオケマイマイ。確かに殻に毛が生えてる。
でもよく考えてみると、殻を脱ぎ捨てて行動しやすい道を選んだのがナメクジ。
殻を来てディフェンス型の生き方を選んだのがマイマイ。・・・・・なのに・・・・・!?

コイツは殻をまとい、更に毛まで生やしてる!?いや、そこまで防御せんでもええやん?
って思うんだが・・・。ちなみにこの毛の理由は、学者の間でもよくわかってないらしい。



手のひらに乗ってる小さなもの。まるでゴマ粒みたいだけど・・・・・



イシマキゴマガイ、って名前のれっきとした陸貝なのだ。



これまたちっちゃ。ホントにちっちゃ。



これはベニゴマオカタニシ。ちっちゃくてきれいで、とっても可愛い貝だ。
貝の仲間って、タイラギみたいにでかいヤツもいれば、こんなちっちゃいヤツもいる。
深い海の底にもいて、高い山の上にもすんでる。う~ん。かなり奥深いぞ、貝の世界は。



一瞬、貝から離れます。ラミーカミキリがいたので写真撮っといた。
この面白い模様、何に見える?・・・・・俺は「一流ホテルのドアマン」に見えるんだけど。



またまた貝に戻します。この日、いちばん出会いたかった貝がコレだ。
オモイガケナマイマイ。・・・・・もう一度言います。オモイガケナマイマイ



なんて名だっ!!この名前がついた理由、それは発見した人が、
「あれ??もっと違うトコにいると思ったのに、まさかこんなトコで見つかるとは・・・・・」
「いや~、思いがけないトコにおったわ~」・・・・・ってなったかららしい。

いや・・・・・他になかったんかい名前の候補。オモイガケナマイマイて・・・・・。

まぁそれはいいとして実はこの貝、国でも愛知県でも、絶滅危惧Ⅰ類に指定されてる、
チョー希少種なのである。だからこの日出会えたのは奇跡。まさに「思いがけない」
出会いだったのだ。



陸貝は、雨が降ってる時の方がいっぱい出てきて探しやすい。だから梅雨のこの時期
こそ楽しめるアウトドア遊びなのだ。
陸貝って地味なイメージだし、興味のある人も少ないと思う。でも、動きが遅いゆえの
その地域独自の進化の面白さ、そして思った以上にいろんな種類がいることの驚き。
・・・・・貝って、意外に面白い世界かもしれない。

登り始めた時に降ってた雨も、頂上に到着した時にはすっかりやんでいた。
頂上から見る景色、これが素晴らしい。陸貝の宝庫でもあり、パワースポットでもある
神秘的な山、石巻山。・・・・・梅雨時のアウトドアを楽しむには最適っすよ!