2011年10月30日

今年もアサギマダラ

愛知・三ヶ根山のアサギマダラに、今年も会いにきた。

今年もアサギマダラ

今年もアサギマダラ

あざやかなクサギの実が目立つ。「臭い木」だからクサギって名前なんだけど、
決して臭くはない。枝を折って匂いを嗅いでみると、「白ゴマ」の匂いがする。

今年もアサギマダラ

そんじょそこらで見られるモンじゃない、コウヤボウキの花。
高野山の僧たちが、この枝を集めてホウキにした、って説がある。

今年もアサギマダラ

イヌザンショウ。サンショウほど香りもなく、味も悪いためこの名前なんだけど、
植物の世界では役に立たないモノには「イヌ」が付けられるのだ。

イヌガヤ、イヌツゲ、イヌザクラ。これじゃイヌがかわいそうだ。けど確かに
「犬死に」ってのもいい言葉じゃないもんなぁ。

今年もアサギマダラ

罰ゲームによく使われるセンブリ茶で有名なセンブリ。「千回振り出しても
まだ苦い」って由来があるくらい、葉っぱは苦い。めっちゃ苦い。

この葉っぱ、胃腸にいいってず~っと信じてたんだけど、よく調べたら薬効
成分はないらしい。がっかりだよ。

今年もアサギマダラ

そしてアザミに・・・

今年もアサギマダラ

ヒヨドリバナ。この花の蜜を吸いに来るのが・・・

今年もアサギマダラ

アサギマダラだ。今年も会えた。時期としてはギリギリだったけど。

ひらひらと舞う姿ももちろん美しいが、アサギマダラの真の魅力は何と言
ってもその生態、つまり「渡り」にある。

春に北上し、秋に南下するチョウ。
渡り鳥と違い、この2つは全く別の個体である。

たとえば、夏に長野で生まれた個体が世代交代をしながら南下して、南西
諸島までたどり着き、そこで命果てる。すると、冬に生まれた次の世代が
今度は春に、本州の高原を目指す。

北から南へ、南から北へ。命をつなぐ旅は永遠に続いてゆくのだ。

スゴいことだと思う。コイツらはこんな小さな体で、本州から南西諸島、
はたまた台湾まで飛んでいくのだ。1500キロ以上も。季節風に逆らい
ながら。

なんと中国まで行ってるヤツもいるらしい。しかも海の上で休んでる
のを見たって人もいる。な、なんてスゴいチョウだ!

とはいえ、まだまだナゾの多い生きものだ。だいたい危険を冒してまで何
でそんな旅をするのか?世代交代をしながらどうやって旅の目的地を伝え
ていくのか?海を渡る時の食べものはどうしているのか?・・・・・

まだまだナゾだらけの生きものである。それだけに魅力も多い。

今年もアサギマダラ

どんな生きものも、一生懸命生きている。力抜いて生きてるヤツなんて、
一匹もいない。みんな必死だ。

けれどそんな幾多の生きものたちの中でも、特にこのアサギマダラには
感嘆させられ、惹きつけられてしまうのだ。今年も、きっと来年も。



この記事へのコメント
アサギマダラに物凄く感動しました!! たまに見かけるのですが名前も生態についても鉄崎さんのブログで初めて知ることができて感謝です。 自然界の生物はみな全力で生きているメッセージ心に響きました!!
鉄崎さんの自然に対する慈しみの気持ちに毎回ハッとしています。
ありがとうございます!!
Posted by あおき at 2011年10月31日 18:23
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