2013年05月31日

赤に注目してみた



真っ赤なヘビイチゴの実。美味しそうに見えるけど、スカスカで全然美味しくはない。



ヤマザクラのサクランボ。春はピンクの花、そしてこれからの季節はこの赤い実
が、我々の目と舌を楽しませてくれる。

てことで今回は、「赤いもの特集」。山のランナーであるシカの肉は真っ赤だ。
同じ理由で、海のランナーであるマグロの肉も赤い。走り続ける生きものは、体の
すみずみまで酸素を運ぶために鉄分やヘモグロビン・ミオグロビンといった物質を
大量に持っている。この色素のついたたんぱく質が赤く見えるというワケだ。



岐阜県垂井町にある「いのしし亭」でいただいたシカのすき焼き。
美味しかった!シカは体脂肪率が低く、クセもなくてあっさりしたお味。
「最近年齢のせいか牛肉がクドくって・・・」という方にはぴったりだ。

覚えといてね。シカ肉は高たんぱく、低脂肪、そして鉄分がめっちゃ豊富だから。



シカ肉のいっちばん美味しい部分も出してくれた。この店の御主人も言ってたけど、
もっともっとたくさんの人に、シカやイノシシの美味しさを知ってほしいと思う。

そういったジビエ料理を我々が食べることが、森の環境保全や農作物被害を減らす
ことにつながってゆく。ただ問題はそれを撃つ猟師さんと、食肉処理場が圧倒的に
不足していることである。



シカ肉の別名は「もみじ肉」。肉食を禁止されていた僧侶が隠語として使っていた言葉。
百人一首にある歌、「奥山に もみじ踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」
が語源とされているが、シカ肉の鮮やかな赤と、秋の紅葉が似てることも理由だろう。



めっちゃキレイな赤だけど、これ秋に撮った写真じゃないよ。いわゆる「春もみじ」だ。
新緑の時期、光合成が本格化するまでの現象。でも秋に負けないくらいキレイでしょ?

この春もみじの代表的な品種に、出猩猩(でしょうじょう)というのがある。そこで最後は、



ショウジョウトンボだ。頭から体まで、とにかく真っ赤なトンボ。
猩猩(しょうじょう)とは、酒が大好きで顔が真っ赤な、中国の伝説上の動物のこと。
他にもショウジョウバエとか、ショウジョウバカマ、なんて名前にもつけられている。



こうして水辺にとまったショウジョウトンボは、実に美しい。これから夏にかけて水辺で
見られるので是非探してみてほしい。

春の色のイメージは黄色。そして夏の色といえば、赤。まだ梅雨の真っ只中ではあるが、
生きものたちの色が、近づく夏の気配を感じさせてくれる。  


Posted by mikihito at 10:31Comments(1)

2013年05月28日

三河湾丼を作る

梅雨入り前に行った、初夏の船釣り。



スターキャットTVの自然遊び番組「鉄ぶら」の今回の企画は・・・
「三河湾で魚を釣って、三河湾丼を作ろう!」



さっそく釣れたのが・・・初夏の旬の魚といえばコレ。キスだ。



ヌルヌルしてるせいか嫌う人が多いけど、コレを食べないなんてもったいない。
天ぷらにすると最高に美味しい魚、メゴチ。調理もめっちゃカンタンなのだ。



胸ビレの色がとても美しい、ホウボウ。淡白で上品な味の魚。



番組の共演者、ミクもいっぱい釣ってました。



今回の釣果。番組収録でかなり移動したので、数は少なかった。でもこれだけ釣れれば充分。



陸に上がってさっそく刺身を作る。ネタは・・・キス、メゴチ、ホウボウ、ハゼ、そしてウタセエビ。
ウタセエビはエサとして用意したものだったが、余ったので食べちゃう。だって美味しいんだもん。



5種類の三河湾の海の幸が乗った、「三河湾丼」の完成~!!ま~うまいことうまいこと。



さらにうちに帰ってキスの天ぷらもいただいた。刺身もいいけどやっぱキスは天ぷらが一番。

閉鎖水域である三河湾は、人の暮らしの影響を受けやすい。我々が出す生活排水が昔から
この海を汚してきた。今でも毎年、赤潮が発生してしまう。

けれども今回作った三河湾丼、めっちゃ美味しかった。やっぱり三河湾は「宝の海」なのだ。
この3日後、潮干狩りしてアサリも食べたが、こちらの味も最高だった。

海をきれいにすることは大事。ではなぜ、海はきれいな方がいいの?

・・・美味しい魚がいっぱい獲れるから。しかも身近な海の幸が美味しいって、とっても幸せな
ことだから。・・・・・自然を守る理由なんて、それだけで充分。それこそが原点なのだ。



ちなみにキスの天ぷらには是非コレをつけて食べてね。
SBSラジオ・中村こずえのスマイルフォーユー発、「ら塩」。←番組聴いてゲットしてくれ!

SBSラジオは6月3日からの1週間、スペシャルウィーク。つまり聴取率週間でござる。
みなさま、どうぞよろしくお願いしますよ。・・・・・と最後に宣伝もしときました。  


Posted by mikihito at 21:31Comments(1)

2013年05月23日

竜ヶ岳登山

祝!三浦雄一郎さん、世界最高齢80歳でのエベレスト登頂!!・・・すごいお人だ。
そんな三浦さんの足元にも及ばないが、俺も登ってきたよ。竜ヶ岳



竜ヶ岳は、三重県いなべ市と滋賀県東近江市の境にある標高1,099 mの山。
鈴鹿山脈中部に位置し、鈴鹿セブンマウンテンに選定されている。



登山ルートはいくつかあるが、今回は「沢沿いコース」を選ぶ。
沢沿いは景色も美しいし、夏鳥の声もいっぱい聴ける。・・・ただし・・・



傾斜は相当キツい。同行したスタッフも一苦労だ。



おいおいこの橋、信用して大丈夫なんか??



でもやっぱり沢沿いはいいね。ここは滝が5つ連なる「五階滝」。めっちゃ風光明媚!



水も綺麗だしね。ただし鈴鹿山系は夏場、ヤマビルがめっちゃ多いので注意。
行くなら夏前、このシーズンがおすすめだよ。



イワカガミが満開。カタクリもギリギリ残ってた。こうした花たちが、足の疲れを癒してくれる。



まるでフィッシュ・アイレンズ使ったかのような写真。いやいや。普通のレンズなんだよコレ。
なんだかウォーカー(by FoxTV ウォーキングデッド)が現れそう・・・。



山頂部付近はさらに傾斜がキツくなってくる。滑落したらヤバいぞ。



この山の森林限界。ここを越えると高い樹木がなくなる。さぁいよいよ山頂間近だ!



歩き始めて3時間半、ついに山頂到着~!!



残念ながら小雨模様・・・。スカッとした展望は望めなかったけど・・・(泣)



それでもやっぱり登山の至福の瞬間はこの時だ。きっついことはキラいな性格の俺でも、
この瞬間だけは毎回感動しちゃう。なんつうか・・・・・辛かった行動のすべてが、山頂に
着いたその瞬間に報われる気がするのだ。



ここで名言をひとつ。「どんなに高くても、たどり着けない山頂はない。」

・・・あれ?どっかで聞いたことある?いいこと言ったと思ったのに・・・。
すんません。エラそうなこと言って。三浦雄一郎さんが登った山は、この8倍だった・・・。  


Posted by mikihito at 19:39Comments(5)

2013年05月18日

5月の鳥とトンボ

今日もカメラを持ってフィールドへ。この季節はいろんな生きものに出会える。



日本でいちばん小さなキツツキ、コゲラ
この時はちょうど、営巣のための穴を開けてた。



日本3鳴鳥のオオルリ。美しいさえずりを聴くなら今がベストシーズンだ。



ただねぇ・・・なかなかいいショットが撮れないのよ(泣)。ヒドいもんねコレ。
被写体が遠かったり、逆光だったり。こりゃいい写真は来年まで持越しかなぁ・・・。



美しさではオオルリに決して負けてない、アサヒナカワトンボ
清流沿いにしか生息しない、光沢が大変美しいトンボだ。



捕食してるとこがちょうど撮れた。野鳥に比べトンボは撮影しやすいね。



アサヒナカワトンボ、橙色羽型。



一口にトンボといっても、トンボ科、ヤンマ科、オニヤンマ科、サナエトンボ科、
エゾトンボ科、イトトンボ科、カワトンボ科、ムカシトンボ科、ムカシヤンマ科、など
・・・いろいろあるんだが、このトンボはサナエトンボ科のタベサナエ



そしてラストは・・・来たっ!ムカシヤンマ!!コイツはめったに見られるもん
ではない。ムカシトンボ同様、その名前が示す通り原始的な特性をもつトンボ。

谷の崖など、水がしたたりコケ類が一面茂っているような環境を好み、ヤゴは
低水温できれいな沢の湿ったコケの中にトンネルを掘って住む。

森林開発などの影響を真っ先に受けてしまうため、各地で絶滅が危惧されている。



けれど、絶滅が危惧されるような生きものなのに、コイツはやたらと人なつっこいのだ。
帽子にとまってみたり服にとまってみたり。警戒心が薄いのか、人間を恐れない。
むこうから寄ってくるようなこんな可愛らしい生きもの、絶対に絶滅させちゃいけない。

鳥、トンボ、蝶、トカゲ、ヘビ、カエル・・・。
耳をすませば春ゼミの声も聴こえる。5月の森は、いろんな生きもの達が出迎えてくれる。  


Posted by mikihito at 10:32Comments(3)

2013年05月15日

よい子はここで遊ばない

自然の中で見つけた、立て看板をチェックしてみた。



都市河川で最も多く見かけるのがこの看板だ。「よい子はここで遊ばない」系。



「じゃあ悪い子だったら遊んでもいいの?」・・・ダメです。
なぜなら都市河川は危なすぎるから。

3面コンクリート張りで、なおかつ直線の都市河川は流量も速さも同じ。
一度深みにハマって流されたらず~っと下流まで流されてゆく。

本来、川というものは ①蛇行している ②深さも流れの速さも場所によって違う
そして③水生植物が繁茂している・・・それが当たり前だったのだ。それがいつからか
防災のためとはいえ、降った雨を一気に海まで流す「排水路」へと改変されてしまった。

溺れたらつかまる植物さえない今の川で、子供たちが遊べないのは当然である。だが、
そんな子供も遊べないような危険な川にしてしまったのは、我々大人たちである



「魚をとらないで」?・・・漁業権があるワケでもない都市河川で何言ってやがる。
子供たちが魚捕って遊べるのが、当たり前の川遊びだろうが!!



で、どんな魚守ってるのかと思ったら・・・コイじゃねーか!!
地域のおっさんどもが、自分たちの趣味でバラまいたコイを「捕らないで」だって。

漁業権のある川や自然度が高い川で、密猟防止のために言うならわかるよ。
でもここは名古屋の街なかを流れる堀川。しかも生態系に多大な悪影響を与え、
水辺を壊滅状態にしてしまうような放流魚に対して「捕らないで」って・・・。

こうして子供たちはどんどん川から離れ、代わりに作られた人工的な自然を、当たり
前に受け入れてしまう人間になってゆく。・・・ぜ~~~んぶ、大人の責任



わっ!ここも魚釣り禁止だ!なぜなら危険な場所であるとともに、バスフィッシングの
ための密放流が盛んに行われていたからである。外来魚の密放流=環境テロリズム



こんな生きものがいたら、そりゃ子供たちを安心して遊ばせられんわ。
無責任な飼い主による飼育放棄。そして池への密放流の結果、こんな看板が立つ。



これももう全国いたる所に立ってる看板。自然の中=人目につかない。だからこっそり
不法投棄・・・ってことか。美しい自然の中に1つでもゴミが落ちてたらがっかりだよね。



ハラ立ったり悲しい看板ばっかりだったけど、やっとこさ、ほのぼのする看板に出会えた。
名古屋市守山区・東谷山に立つ「リス横断注意」の看板。そう、ここは名古屋市内だけど、
ニホンリスが生息してるのだ。なんかうれしいね。

でも同じような看板が立つ沖縄・やんばるの森の道路では、相当な数のヤンバルクイナ
が車に轢かれて死んでいるのも悲しい現実。



最後は豊橋市・三ツ口池。神秘的な雰囲気漂う、いい池だ。ところが・・・・・



おっと。ここにも釣り禁止の看板が・・・。残念だなぁ・・・って思ってよく見てみると・・・



ワ、ワニ注意!!なんと、ワニ注意の文字がっ!!おるんかいワニが!!

これまでいろんな看板見てきたけど、ワニ注意は初めてだ。・・・でもホントに目撃
されたんだろうな。まぁもしかしたらアリゲーター・ガーとかの見間違いかもしれんが。

でもどっちにしてもここでも密放流(環境テロ)が行われた、ってことだ。

こうしてあらためて観察してみると、悲しい看板がいかに多いかがよくわかる。
もちろん看板だから、注意喚起のために立てるワケだが、でもその中の多くが、

ホントは無くてもいいモノなのに、人為的な影響で立てざるを得ない」ことが
よくわかる。危険がなければ、不法投棄や密放流するような悪い輩がいなければ、
ホントは自然の中に看板なんて必要ないのだ。

「よい子はここで遊ばない」
・・・・・・・いつかこんなつまらん看板が無くなる日は来るのだろうか。  


Posted by mikihito at 20:29Comments(3)

2013年05月12日

あまりに美しい夕焼け



名神高速道路。大垣ICに向かう途中・・・・・。



夕焼けがあまりにも美しかったので撮影した。
明日、49ちゃいになっちゃいます。・・・ああ悲しい。  


Posted by mikihito at 21:28Comments(7)

2013年05月09日

子供の日のイルカ

5月5日子供の日、ラグーナ蒲郡にて。



おいおい。スタッフ用駐車場になんだかヘンな車が停まっとるぞ。



わっ!イルカだイルカ!!



・・・っつうことで、もうすっかりお馴染みの林正道氏登場。



この日はラグーナ蒲郡で、イルカロボットの実験イベントが行われたのだ。



ラグーナのプールを泳ぎ回るイルカロボット。・・・相変わらずリアルやのう。



当然子供たちにも大人気。



林のロボット教室は今や、世界中からオファーが来てるため、
日本国内で行う実験はこれで最後にするらしい。



そしてこの度ついに完成。前作から改良されたイルカ型乗り物。その名も「ノルカ2」。



これに乗れば身体の不自由な人でも海を楽しむことができる。それこそが彼の夢なのだ。



なんだかカッチョいいスイッチも付いてるぞ。陸からリモコン操作だってできる。



スゲーよな。こんなん1人で作っちゃうなんてさ。



俺、試乗。



うん。前のより軽くなって操作性もいい。



進む進む。グングン進むぞ!・・・いつの日か子供も、お年寄りも、障害者も、
み~んなでこれに乗って海で楽しむ日が来るかもしれない。



この日はチビイルカとも遊んだ。・・・あ、この写真、ロボットのイルカだからね。
怒ったらダメよ。・・・そういえば最近、シーなんとかってヤツら、おとなしくなったな。



最後にスタッフ全員で記念撮影。みなさん、おつかれさまでした!

台湾、韓国、中国、そしてアメリカ。今後、林の活動は今まで以上にワールドワイドに
なる。・・・・・5月5日子供の日。この日の笑顔が、これからは世界中に広がっていく。  


Posted by mikihito at 00:02Comments(8)

2013年05月04日

花筏

花が乗った葉っぱを「筏」に見立てて付けられた名前、「ハナイカダ」。



乗ってる!確かに花が葉っぱの筏に乗ってるようだ。



葉っぱの真ん中に花がある植物なんて見たことある?



ハナイカダ。この植物は愛知ではかなり珍しく、めったに見られるもんではない。
だから見つけた時はめっちゃ嬉しかった。

そして何よりそのネーミング。花が筏に乗ってるから・・・花筏。
う~ん、味わい深いねぇ・・・。

この植物の別名、「ヨメノナミダ」。
葉の上に付く黒い実を、「陰でひっそりと流す、昔の奥さんの涙」にたとえた。

嫁の涙。・・・嫁の涙。・・・・・ちょっと胸が痛い。  


Posted by mikihito at 09:39Comments(3)

2013年05月01日

美しい名前の花特集

この時期見ることができる花を集めてみた。
テーマは「美しく、日本的な名前の花」。



ちょっと前にもこのブログで紹介した、ヒトリシズカ



こちらはフタリシズカ



ジュウニヒトエ。十二単。う~ん・・・なんて雅で美しい名前だこと・・・。



ラショウモンカズラ
これも平安時代+芥川龍之介を彷彿とさせる日本的なネーミングだ。



春を代表するラン、シュンラン。希少植物になっちゃったなぁ・・・。



サギが飛ぶ姿にたとえて付けられた名前、ムラサキサギゴケ
これはそこら中に生えてるから見つけてみて。



とても桜の仲間とは思えない花が咲く、ウワミズザクラ



絵の具の山吹色って、この色のことだよ。ヤマブキ



ツツジ科でスゴ~く立派な花が咲く、アズマシャクナゲ



菜の花とツーショットで撮ると、赤と黄色のコントラストが美しい、
ベニバナトキワマンサク。ただし残念ながら名前は和風だけど・・・中国原産。



ひとくちにスミレつっても何十種類もある。その中でも俺の好きな、アリアケスミレ



名前も色も姿も美しい、ご存じハルリンドウ

さぁここからは、その姿形から名前がついた植物を紹介しよう。
なおかつ、かなり希少な植物ばっかりだよ。



浦島太郎が糸を垂れて釣りをしてるように見えることからこの名がついた。
ウラシマソウ





昔の船のイカリに姿が似てる、イカリソウ。正面から見るとスターウォーズに
出てきそうな乗り物にも見える。
ちなみにこの植物、大変な精力剤になるらしい。(Vアグラと同じ作用だとよ!)



そして最後は、クマガイソウ。この名前の由来は人名。

モデルは平家物語の名場面として知られる、一ノ谷の合戦における熊谷次郎直実
この花のふくらんだ唇弁を、武者が背負っていた母衣(ほろ)に見立てた。

力強く豪快なイメージの熊谷次郎直実の名をクマガイソウにつけ、一方、貴公子で
ある平敦盛にたとえてつけられた、アツモリソウという花もある。

・・・・いかがでしたか?日本の花は、その姿形が綺麗なだけでなく、風土や歴史を
背負った、とっても美しくて粋な名前が付けられたものが多いのだ。

是非自然の中で探してみよう。そして次回は・・・さらに珍しくて感動的な花を紹介!!  


Posted by mikihito at 16:07Comments(2)