2011年06月27日

屏風山トレッキング・後編

そこに佇むだけで様々な命の息吹を感じる、黒の田湿地。



そこら中に生えてる食虫植物、モウセンゴケ



葉っぱからいい匂いのするネバネバ物質を出して虫を集め、そして食う。



アップで見ると、確かに虫たちにとっては魅力的なネバネバ具合である。
ではなぜ、植物なのにモウセンゴケは虫を食べるのか?

湿地帯という場所はわかりやすく言うと、粘土質の土の上に水がたまってる
状態。水にも土にも養分がない、つまり貧栄養地帯である。

だから必要な栄養分を根っこではなく、地上の葉っぱで捕らえた虫から補う、
食虫植物が出現したというワケだ。



ハッチョウトンボが捕まってた。助けてやりたいけど、自然界の出来事だから
なぁ。手出ししちゃいかんわなぁ。



6月下旬、今がまさに見頃をむかえた、トキソウ。トキが羽を広げてるように
見えることからこの名前がついた。

モウセンゴケもハッチョウトンボもトキソウも、湿地でしか生きられない命
である。
人間にとっては湿地なんて、なんのメリットもない、ムダな場所だと思われて
きた。だから今まで、本当に数え切れないほどの湿地が埋められてきた。

けれど、何度も言うが、ここでしか生きられない命は、たくさんあるのだ。

  


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2011年06月23日

屏風山トレッキング

梅雨の晴れ間に、岐阜県恵那市と瑞浪市にまたがる、屏風山(びょうぶさん)
トレッキングに出かけた。



登山道の入り口にある、「寿老の滝」(じゅろうのたき)。



めっちゃ雰囲気のいい川が流れてる。



水生昆虫もいっぱいいたけど、またしても登場!ツチガエルだ。

通称イボガエル。イボがあるのでキモい、って人もいるけど、最近じゃ
山間部でしか見られなくなってきた。ホント減ってるんだから。

ちなみに芭蕉の、「カワズ飛び込む水の音」はコイツのことらしいよ。



セアカツノカメムシも登場。それにしてもカメムシの仲間って派手なのが多い
よね。ついでに登場させとこう。背中にハートマークのある、ラブリーなヤツ、
エサキモンキツノカメムシだ。



で、登山道(これが相当ユルい道)をテクテク登っていくと・・・



コアジサイがいっぱい咲いてて・・・



ちょっとのど渇いたな~って思ったらコレをつまみ食い。キイチゴの仲間、
モミジイチゴ。コレがびっくりするほど甘酸っぱくておいすぃのだ!



そして、明日からペナントレースが再開するけど・・・中日ファン必見!
ミスタードラゴンズ!その名も・・・タツナミソウだ!!

漢字で書くとホントに「立浪草」。あ~もう一度聞きたい!代打・立浪コール。



さあそして見えてきました。黒の田湿地の看板が。



すばらすぃ。実にすばらすぃトコだ。



ここで出会った生きもの達の紹介はまた次回。ってことで、明日からまた野球
始まるけどさ・・・おいドアラ。バク転の成功率、もうちょい高めておくれ。
  


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2011年06月18日

コオニヤンマの羽化

先日、岐阜県垂井町でおこなわれた川の学校。



毎年、講師として呼ばれ、今年で6回目を迎えた。



垂井を流れ、揖斐川に合流する相川(あいかわ)はおもしろい川だ。
今年も採集した生物の種類は25種以上



最近では少なくなってしまったドンコもいたし、



ヨシノボリの卵も見つかった。



そしてこのツチガエル。いわゆるイボガエル、ってのはこのカエルのこと
なんだけど、本当に数が減ってしまった生物である。

よく似た種類にヌマガエルってのがいるんだけど、こっちは都心部の田んぼ
でも普通に見られる。けれどもツチガエルはめったにいない。

それが相川にはたくさん生息してた。さらに驚いたのは、これだけ生きもの
捕まえたのに、外来種が1種類もいなかったこと

ウシガエルもカダヤシも、バスもギルも、アメザリですら1匹もいなかった。

こんな川はないぞ。これってホントにスゴいことだぞ。

これからもこの水辺生態系を、地元の人たちで守っていってほしいと願う。



そして今回の川の学校でのいちばんの感動がコレ。コオニヤンマの羽化だ。



水から這い上がってきたばかりのヤゴの殻が割れて、トンボになってゆく。
時間とともに色や形が変わっていく様子を、子供たちみんなが見守る。



約3時間後、成虫になったコオニヤンマは、子供たちの目の前で飛んでいった。

この光景を見れたのはとってもラッキーだった。小さな命のドラマだもん。
彼らは一生忘れないだろう。だから大事なんだ。生きものに触れることって。

そして垂井の子供たちに最後に聞いた。「今日捕まえた生きもの、どーする?」
って。
すると彼らの反応は・・・「持って帰りた~い!」って子が大多数。

これが当たり前の子供の反応である。捕まえたら持って帰って飼う。もしくは
食う。これが当たり前なのに、最近の子供は、「逃がしてあげよう」って子が
とても増えてしまった。

飼って死んじゃったらかわいそう。だから逃がしてあげなさい。」

誰なんだ子供たちにそんなこと教えたのは。子供は「かわいそう」って感情より
「飼いたい」って興味や好奇心が先に来るのは当たり前のことなのに、その大事
な体験を奪ってしまってるのは一体誰なんだ。

野生の生きもの飼ったってうまくはいかない。どうせ殺してしまうよ。
けれどそのひとつの「尊い死」が、彼らの中に「慈しみと哀れみ」の心を育んでゆく。

生きもの達はそうやって、僕らに大事なことを教えてくれる。
僕らは自然の中からそうやって、大事なことを学んでゆく。



垂井町の子供たちは羽化したトンボに「大人になれてよかったね!」って言ってた。

さんざん魚を持ち帰った彼らだったが、数が少ないドンコと、卵持った、お腹の大きい
メスのヨシノボリは、逃がしてやってた。

さすがだ。普段からちゃんと自然に接して、自然のこと考えてるってことだ。

そんな子供たちの心を育んだのは、地元の自然と、大人たちである。

  


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2011年06月14日

ハッチョウトンボの季節

すんばらしい場所を見つけたよ。



愛知県内の湿地。ここで今、見られる可愛らしい生きもの。



日本でいちばん小さなトンボ、ハッチョウトンボだ。これはメス。
ちょっと地味な色をしてる。



オスの未成熟個体。まだ地味な色だけど、しばらくすると・・・



こーんなにきれいな色になる。初夏から夏にかけて、湿地帯で見られる真っ赤な
小さいトンボ、それがハッチョウトンボだ。飛翔力の乏しいこのトンボは、生息地
である湿地が無くなると、よそへ逃げて行くことができず、絶滅する。

人間にとっては何のメリットもない場所かも知れんが、ここでしか生きていけない
動植物もたくさんいるのだ。



そのひとつがこの、モウセンゴケ。赤い絨毯を敷き詰めたように生えていた。
ここまで群生してる場所も珍しい。ホントいい所だった。



ハッチョウトンボもモウセンゴケも嬉しかったが、それ以上に感動したのがこれだ。

ヒツジグサ。どこにでもある水草ではない。アメリカザリガニがいたり、コイを
放流したり、外来種のスイレンが繁茂してくると、やがて絶滅してしまう。

まだあるんだなぁこんな場所が。かろうじて、ホントにかろうじて、残っている。

自然はたくましい。だがその反面、自然は驚くほどデリケートでもある。

それを壊すも、残すも、やはり・・・人間しだいなのだ。

  


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2011年06月10日

我が家の生きもの

鉄崎家で見られる生きものたち。



食肉目イヌ科・アメリカンビーグル種の「ウーピー」。13歳。



カメ目ヌマガメ科イシガメ属・ニホンイシガメの「マルモ」。
あ、そうそう。名前は結局「マルモ」に変更しました。娘が命名。
流行りに乗ってるカンジでいやだけど。



両生綱無尾目アマガエル科・ニホンアマガエルの・・・名前はない。
でも我が家の庭には毎年、何匹かのアマガエルが現れる。

そして・・・クイズです。どこに生きものがいるでしょうか?



もうちょいアップにしてみよう!



まだわかんない?じゃもうちょいアップで!



わかったかな?いたよね?



正解はミカンの葉っぱにいた「アゲハチョウの幼虫」でした!

なんかいいよね。身近に生きものがたくさんいるって。
もちろんこれ以外にも、アリ、クモ、ハエ、蚊、ダンゴムシなどなど・・・
人の暮らしって、思った以上にいろんな生きものと共にある、ってことだ。

カエルは、人にとってうっとおしい蚊を食ってくれる。
クモは、人に害を及ぼすダニを食ってくれる。お互いにメリットのある生き方。

これを「共生」という。片方だけにしかメリットがないものは「片利共生」。
そして自分だけが得をし、相手にダメージを与えてしまうことを、「寄生」という。

自然からの恩恵に対し、ちゃんと恩返しをする。ギブ&テイクの精神。

はたして人間は、自然や生きものたちと、本当に「共生」しているのだろうか?
今までず~~っと地球に「寄生」してきたんじゃねーか?

我が家にいるいろんな生きものを見てて、ふとそんなことを考えてしまった。

・・・あ!いかん!!嫁と子供のこと忘れとった!!
  


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2011年06月07日

福島からのメール

・・・残念ながら今回、俺は行けなかった福島。林正道からメールが届いた。

福島県いわき市で、プール開きしてきたよ。

小名浜地区の方々の避難所になってる小学校に行ってきたんだけど、被災地は
原発事故の影響もあって、まだ殆ど手付かずの状態だった。もう、三ヶ月も
経っているのに。
津波の被害は酷くて、みんなに、頑張って、なんて、とても言える状況じゃない。
頑張りようがないもの。僕にできること。僕にしかできないこと。いつものように、
ロボットとビニールのプールを持って、みんなを笑顔にしてきました。勿論、僕も。

福島県には、アクアマリン福島という水族館がある。県民みんなに愛されている。
今回の震災で津波をかぶり、復興に向けて頑張っている。開館記念日の7月15日を
目指しているそうだ。そこに、僕の大学時代の友人、古川がいる。忙しい中、見に
きてくれた。たっくさんの、子供達へのお土産まで持って。

参加者全員が、水族館に行ったことがある。そして全員が、早くまた行きたいと声を
そろえた。笑顔と涙がまじった顔で、「頑張る、頑張らなきゃ。」と、みんなに誓っ
ていた。頑張れ、はじめて僕も抱き合った。そして、来週からは、残った車で、移動
水族館を開始するそうだ。避難所や、学校などを廻って、出来ることをするそうだ。

実は、この日が避難所最後の日。みんなと送別会をした。僕の大好きな、近所のうど
ん屋さんのカレーライスをみんなで食べた。自分の代わりにと、うどん屋さんが、
全員分を用意してくれた。
いつもより、心のこもったカレーは、みんな喜んで、あっという間に完食。子供達と、
ポニョを歌った。みんな、海が大好きなのだ。どんな事があっても、やっぱり、海が
大好きなのだ。



福島の豊かな海の話し、アカメフグの美味しさ、メヒカリの自慢、イルカと遊びたい
こと、そんな声が、大人たちからもあがっていた。夜は、僕の高校時代の友人の計らい
で、宴会が催された。みんな、三ヶ月ぶりのお酒だった。

もう涙は無くなったと思っていたのにと、震災と避難所生活を振り返って、皆が涙した。
そこには、僕らの想像もつかない程の思いがつまった涙があった。これから、なのだ。

翌日も朝からプール開きをし、帰途についたが、もう今年は福島県では、プール開きが
無いのだ。喜ぶ子供達の歓声や、見守る大人たちの優しい笑顔がみられないのだ。



おっちゃん、また、来るからな。それしか、言葉がなかった。それぞれが、仮設住宅に
向かって出発していった。まだ、家財道具は揃って無いそうだ。もうしばらくすると、
被災地の避難所は無くなるだろう。でも、これからが、はじまりなのだ。何も無いままの
暮らしが始まる。プライバシーと引き換えに、みんな同じ境遇で、肩を寄せ合い、不安や
心配、悲しみを共有しあえた仲間たちと離れ、自分自身で乗り越え、頑張らなければいけ
ないのだ。

これからが、本当の支援が必要になるのかもしれない。三ヶ月、僕のやってきたことも、
いろんな方々が出来るかたちで、バトンタッチもはじまった。僕は、僕に出来ることを、
出来る限りで続けていこう。やっぱ、そう思った。














  


Posted by mikihito at 18:31Comments(3)

2011年06月05日

最年少野菜ソムリエ

史上最年少・野菜ソムリエの森乃翼くん、小学校5年生。



野菜はもちろんのこと、彼はその辺に生えてる野草にもめっちゃくわしい。
岡本信人もビックリ!ってくらい。ホントよく知ってた。



ハリエンジュ(ニセアカシア)なんてどこにでも生えてる植物だが、この花は
食べられるんだって。ただし、茎には毒があるらしいけど。



翼くんが作ってくれたハリエンジュ・ティー。花の香りがしておいしかった!



イタドリのジャム。まさかイタドリがこんなにおいしいなんて!イタドリなんて
そこらじゅうにあるぞ。ヨーロッパでは外来種として駆除の対象になってるくらい
繁茂しちゃってる植物だ。こりゃ食べ放題だぞ!



アカツメクサもシロツメクサも、フジの花も食べられるんだって。知らんかった。



この日歩いて集めた食材の数々。どれもフツーにいっぱい生えてるのばっかしだ。
ところが・・・



天ぷらにしてみると意外な程どれもうまい!イタドリやクズの若い葉の部分なんて
サイコーにおいしいぞ!ハリエンジュやシロツメクサの花も、蜜の味がして甘い!

こうして見ると、身近な自然の中には、食べられる野草がいっぱいあるんだなぁ・・。

今回それを教えてくれた翼くん、ホントにありがとう。この模様はスターキャット
テレビの自然遊び番組「鉄ぶら」でもうすぐOAされます。是非観てね!
  


Posted by mikihito at 22:29Comments(0)

2011年06月03日

カメを飼う

我が家に新しいペットがやってきた。ニホンイシガメだ。



イシガメのメスなので名前は、「石田亀代」にしようと思っている。



出会いは、作家の阿部夏丸さんの家。何気なく水槽に入ってたコイツを
見た瞬間、「萌えた」。キュンってなった。めっちゃ可愛い!!

「ねーねー夏丸さん、コレどーすんの?」って聞いたら、

「いや、こないだ子供達に見せたから、もう逃がしてこようと思って・・。
 ・・・・・欲しい?」
「欲しい!!いいの??ワ~イ!やった~~~!!」

ってカンジでもらってきた。カメもらって飛び跳ねる47歳もどうかと思うが。



ペットショップ出身じゃないので、加工した粒状のエサなど食わない。そこが
野生のいいところである。最初にやったエサは、近所のすし屋でもらってきた
「生シラス」だった。いいモン食いやがるぜ。

とにかく昨日から、我が家の一員となった「石田亀代」。あ、名前はもうちょっと
検討しようかとも思ってるが・・・。

あと「カメ飼う」つったら、嫁にものすごい怒られた。47にもなって・・・。

  


Posted by mikihito at 22:42Comments(3)

2011年06月01日

コアジサシの求愛給餌

雨が続いてうっとおしいシーズンだけど、生きもの達の世界では「ラブ注入」
(古っ&キモっ!)真っ盛りである。



コアジサシ。この時期、浜辺や干潟、河口などで見られる小型のカモメだ。
初夏に日本にやって来て、これから繁殖のシーズンに入る。



空中でホバリングし、小魚を見つけると急降下する。まるで「アジを刺す」
ようにダイビングすることからこの名前がついた。

けれど今の時期、小魚を捕らえるのは自分が食べるためだけではない。
捕った魚をメスにプレゼントする、「求愛給餌行動」が見られるのがこの季節だ。



♂ 「これ、僕からのプレゼントっす!」
♀ 「え~またボラの稚魚じゃん!イワシとかないの?」
♂ 「いや・・イワシは意外と・・いそうでいなくて・・・ごめん!」
♀ 「アジも?」
♂ 「うん。アジも。」
♀ 「つうかあたし、ボラってイマイチ好きじゃないんだよね。泥臭いし~。」
♂ 「ホントごめん。次、絶対セイゴのちっちゃいヤツとか捕ってくるから!」
♀ 「セイゴはやだ。背びれトゲトゲだもん。」

・・・みたいな会話が交わされた後、メスが気に入れば・・見事、交尾となる。

プレゼント渡してメスの気を引く・・・まるで人間のような作戦だが、実際に
オス達のその必死な行動見てると、なんとも言えず、微笑ましいのである。

コアジサシ、絶滅危惧Ⅱ類。いつまでも、この初夏のドラマが続きますように。
  


Posted by mikihito at 15:28Comments(0)