岐阜県恵那市・坂折の棚田、通称「千枚田」。



前回に続いて今回も「日本の農」を取り上げたいと思う。



棚田、というのはまさしく棚状に並んだ田んぼのこと。山に囲まれた狭い
土地を上手に使い農地として利用する、それは先人たちの知恵であり、



そして自然を生かした「造形美」でもある。棚田は本当に美しい。



ちょっとコワい人形も立ってたけどね。



棚田が生み出すものは農作物だけではない。ここに生息するのは、アカハライモリ、
トノサマガエル、シュレーゲルアオガエル、シマヘビ、アオダイショウ、コオイムシ、
マツモムシ、サワガニ、メダカ、トンボのヤゴ・・・・・数え上げればキリがないほどの
生物・植物。棚田は豊かな生物多様性を育み、また水を浸透させることで我々人間
の暮らしにとっても防災効果があるのだ。



坂折の棚田から見る笠置山。以前このブログで紹介した、神聖なる山岳信仰の山。

この２つは、きっと大昔からつながった関係にあるんだと思う。自然を利用し、糧を
得てきた棚田。そして自然に感謝し、崇めてきた笠置山。
・・・・・・・恵みと災い、感謝と畏れ。
大昔から人は常に、対照的なその２つと正面から向き合い、暮らしてきた。

そして今でも、どんな飾られた街並みより、この風景を前にした時の方が心が安らぐ
のは、現代に生きる我々日本人のDNAの中に、「農の情景」が刻み込まれている
からに違いない。



最後に一枚。いいカンジに登場してくれたので。・・・・・タイトル「棚田とネコ」。