2015年01月24日
牛を売る人
先日ラジオの取材で、畜産業を営む方にインタビューした。
伺ったのは御前崎市にある飼育場。

その名の通り、真っ黒な黒毛和牛。迫力はあるが、瞳がやけに可愛い。
特にコイツは人懐っこい性格らしく、興味津々な様子で近づいてきた。

ここで育った牛は、「遠州夢咲牛」として出荷される。静岡が誇るブランド牛だ。

第7回全国和牛能力共進会では内閣総理大臣賞を受賞。毎年のように農林水産
大臣賞も受賞している、日本でもトップクラスの肉牛・・・それが遠州夢咲牛である。
一見、脂っこそうに見えるが、食べてみるとまったくしつこくない、極めて良質の脂
であることがわかる。口に入れた瞬間に広がる旨み、それが噛む度に滲み出てくる。

焼きはミディアムレアで、それにワサビを乗っけていただく。・・・・う~ん最高っす!!

なぜこんな美味しいのか。何が違うのか。・・・・・一番は、エサだそうだ。
育てる人によって飼料の種類も、配合も微妙に違うんだろう。
けれどもこの日、エサ以上に、牛の肉質を向上させるものがあると思った。
それは、ありきたりな表現ではあるけど・・・・・牛への愛情である。
ここで産まれ、ここで育ち、ここで一生を終える牛。
飼育者は、命の始まりから終わりまで、生の全てをを見届ける。
ここで畜産業を営む杉浦さんは言う。
「出荷の日は、なんともいえない気持ちになるんですよ。」と。
・・・・・プロはそんなこと言わないし、考えないもんだと思ってた。
いちいちそんな感情を抱いてたら、商売にならないから。・・・でもこの人は違った。
以前も似たような人に会ったことがある。俺がテレビで「ブラックバスの悲しみ」の
歌を歌ってるのを見て、
「そうなんだよ。魚の命を弄んじゃいけないんだよ。魚だって、釣られりゃ痛いんだよ。」
と言った人だ。・・・・・この人の職業は、漁師である。
こんな人たちが作り上げた肉や魚料理は、うまいに決まっている。
杉浦さんは、わかる範囲で、自分が育てた牛の肉は食べないらしい。
飼育し、出荷する人が言う、「毎回、かわいそうで涙が出る」という言葉は重い。
送り出す人の思いと、そして食われるために生まれ、食われるために殺される牛の
命。それに報いるにはひとえに我々の、「おいしかった!」という感動と感謝、そして、
糧となった命は残さずいただく、という行動に尽きる。
最後にもう一度、一枚目の写真の、優しくて可愛くて、運命をまだ知らぬ牛の瞳を
じっくり見てほしい。・・・・・・・決して、命を捨てることなどできないはずだ。
伺ったのは御前崎市にある飼育場。

その名の通り、真っ黒な黒毛和牛。迫力はあるが、瞳がやけに可愛い。
特にコイツは人懐っこい性格らしく、興味津々な様子で近づいてきた。

ここで育った牛は、「遠州夢咲牛」として出荷される。静岡が誇るブランド牛だ。

第7回全国和牛能力共進会では内閣総理大臣賞を受賞。毎年のように農林水産
大臣賞も受賞している、日本でもトップクラスの肉牛・・・それが遠州夢咲牛である。
一見、脂っこそうに見えるが、食べてみるとまったくしつこくない、極めて良質の脂
であることがわかる。口に入れた瞬間に広がる旨み、それが噛む度に滲み出てくる。

焼きはミディアムレアで、それにワサビを乗っけていただく。・・・・う~ん最高っす!!

なぜこんな美味しいのか。何が違うのか。・・・・・一番は、エサだそうだ。
育てる人によって飼料の種類も、配合も微妙に違うんだろう。
けれどもこの日、エサ以上に、牛の肉質を向上させるものがあると思った。
それは、ありきたりな表現ではあるけど・・・・・牛への愛情である。
ここで産まれ、ここで育ち、ここで一生を終える牛。
飼育者は、命の始まりから終わりまで、生の全てをを見届ける。
ここで畜産業を営む杉浦さんは言う。
「出荷の日は、なんともいえない気持ちになるんですよ。」と。
・・・・・プロはそんなこと言わないし、考えないもんだと思ってた。
いちいちそんな感情を抱いてたら、商売にならないから。・・・でもこの人は違った。
以前も似たような人に会ったことがある。俺がテレビで「ブラックバスの悲しみ」の
歌を歌ってるのを見て、
「そうなんだよ。魚の命を弄んじゃいけないんだよ。魚だって、釣られりゃ痛いんだよ。」
と言った人だ。・・・・・この人の職業は、漁師である。
こんな人たちが作り上げた肉や魚料理は、うまいに決まっている。
杉浦さんは、わかる範囲で、自分が育てた牛の肉は食べないらしい。
飼育し、出荷する人が言う、「毎回、かわいそうで涙が出る」という言葉は重い。
送り出す人の思いと、そして食われるために生まれ、食われるために殺される牛の
命。それに報いるにはひとえに我々の、「おいしかった!」という感動と感謝、そして、
糧となった命は残さずいただく、という行動に尽きる。
最後にもう一度、一枚目の写真の、優しくて可愛くて、運命をまだ知らぬ牛の瞳を
じっくり見てほしい。・・・・・・・決して、命を捨てることなどできないはずだ。
Posted by mikihito at 20:36│Comments(2)
この記事へのコメント
畜産業の方の気持ちを考えると本当に胸が締め付けられました。
私は料理をしているときに生肉を触ると、時々何とも言えない切ない気持ちになるのですが、いざ食べ始めるとそれはもうただの「食べ物」になってしまっているんです。
私の人間性の問題なのか、はたまた本能的なものなのか分かりませんが…鉄崎さんがいつも仰るように命の恵みに感謝して食べれる人間になりたいです。
私は料理をしているときに生肉を触ると、時々何とも言えない切ない気持ちになるのですが、いざ食べ始めるとそれはもうただの「食べ物」になってしまっているんです。
私の人間性の問題なのか、はたまた本能的なものなのか分かりませんが…鉄崎さんがいつも仰るように命の恵みに感謝して食べれる人間になりたいです。
Posted by めろとんぽ at 2015年01月24日 22:41
ほんとだね。残さず頂かなくては。子供らにもさ、その魚お前のために死んだんだんで食えるとこ一片も残すなよって言ってるよ。鯨もさ、そう言う使い方昔っからしてる日本人だけどさ、難しい立場だね今は。バランスがむずい。
でも太地にいる外人さんたちは帰ってくれないものかなぁ。
でも太地にいる外人さんたちは帰ってくれないものかなぁ。
Posted by まさし at 2015年01月26日 01:31
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