2015年08月22日

九頭竜川のアユカケ

福井県を代表する川、九頭竜川

九頭竜川のアユカケ

地元の元漁師さんの船に乗せてもらって、しばし遊覧航行。

九頭竜川のアユカケ

空を見上げると、ぐるりと太陽を取り囲むように虹ができていた。
こんなの初めて見たよ。

九頭竜川のアユカケ

元漁師さんにごちそうしてもらったモクズガニ。美味しかった~!
そしてこの日十数年ぶりに、九頭竜川に生息する、ある魚に出会うことができた。

九頭竜川のアユカケ

それがこの「アユカケ」だ。カマキリ、ともいう。福井では「アラレガコ」と呼ぶ。

九頭竜川のアユカケ

秋に川を下り、あられが降るような寒い冬の時期に沿岸部で産卵することから
この名前がつけられた。以前は九頭竜川で普通に見られた魚だが、今や希少種。
船に乗せてくれた漁師さんも、昔はこれを捕って生活してたということだ。

九頭竜川のアユカケ

正面から見ると何ともふてぶてしく、それでいてちょっとマヌケな可愛い顔してる。
そして何よりスゴいのは、こうして氷の上に5時間以上置いといても、その後水に
戻すと、フツーに泳ぎだすのだ。ウナギと同じく、体を包む粘液が呼吸を助けてる
んだろう。・・・・・それにしてもスゴい生命力だ。

九頭竜川のアユカケ

生命力の強い魚は栄養豊富でうまい!・・・・ってことで、アユカケ料理をいただく。
まずは唐揚げ。もっともオーソドックスな食べ方。

九頭竜川のアユカケ

続いては甘露煮。川魚はこの食べ方が合うものが多い。

九頭竜川のアユカケ

最後はやっぱり、塩焼き。アユカケ本来の味を楽しむにはこの食べ方が一番だ。
俺は淡水魚の中で最も美味いのは、このアユカケだと思っている。

アユカケはカサゴ目・カジカ科の魚。刺身で食べると確かにカサゴの味に近い。
川魚でこんな味のものはいない。ホントに美味しい魚なんである。

九頭竜川のアユカケ

それともうひとつ、アユカケの名前の由来がこのトゲ。エラの横にあるこのトゲで
アユを引っ掛けて食べるという。実際に見たことはないけど。

九頭竜川のアユカケ

アユを食べる肉食魚・アユカケは美味しい魚。だけど・・・高いんだ。お値段が・・・・。
この日いただいたアユカケ、一匹なんと・・・・・3000円!

養殖に手間もかかり、流通量も少ない。だから高いのは仕方ないんだが・・・・。
けれどもこの魚、昔はフツーにこの川で泳いでて、水揚げ量も多かったのだ。

それがなぜ激減してしまったのか。ひとつは排水による水質の悪化。
そしてもうひとつ、減ってしまった大きな原因が、堰堤やダムによるものである。

九頭竜川のアユカケ

アユなどの遡上を助ける魚道。けれど遊泳力の弱いアユカケは、この魚道が登れ
ない。さらに川をせき止めることで川底が平坦になり、稚魚が生息しやすい環境が
損なわれたことも大きな原因となっている。

治水や利水のために必要な堰堤。魚道なんかも整え、生きものに配慮はしていても、
それでも減ってしまうものがいる。人の営みと生態系保護の両立がいかに難しいか、
アユカケは問いかけている。

ウナギもそうだが、天然のアユカケが昔のようにたくさん獲れ、養殖も進み、食卓に
普通に並ぶ日は、はたして来るんだろうか?




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